サッカーその言葉の意味「顔を上げよう」「周りを見よう」

小学校2・3年生くらいからコーチに言われることの多い「顔を上げよう」とか「周りを見よう」、「首を振って」という声かけ。その言葉が意味する真意は実は奥が深く、でも、いつ何を見ればいいのかを誰も丁寧に教えてくれない。長男も頻繁にコーチに指摘されていましたが、その本当の意味を知るにはとても時間がかかりました。

なんのために「顔を上げる」「首を振る」「周りを見る」のか

プロサッカーの試合や代表戦、高校サッカーなど、選手が頻繁に首を振っているシーンを目にしますね。一方小学2・3年生で選手が首を振っているシーンのレアなこと。ボールホルダー(ボール保持者)がボール(足元)しか見れていなくてディフェンスにドリブルで突っ込んでいくシーンの多いこと。

 サッカーは攻守の切り替えが早く、味方も相手もコートないを縦横無尽に動いても良いスポーツです。だから、自分が今どこにいるのか。ボールはどこにあるのか。周囲はどうなっているのか。いつだって現状を把握しておく必要があるのです。そのために「顔を上げて」、「首を振って」、「周りを見る」必要があるのです。

「顔を上げて」「首を振って」何を見るのか

これが問題で、何を見て確認すべきかがわからないまま「顔を上げて」「首を振っていた」長男。全体的には見えているんです。でも、具体的には何を見て何を判断すべきかはわからずにいました。長男と一緒にyoutubeや書籍で学んだ結果、まずは、ゴールの位置、ボールの位置、自分の近くにいる味方の位置、敵の位置が無意識で確認できるよう意識することから始めました。次は「自分の位置」「味方の位置」「敵の位置」「ボールの位置」と「スペース」。ロングパスを狙えるのか、サイドチェンジできるのか、フリーの選手はいないのか裏抜けを狙っている味方はいないか、フリーのスペースはどこなかのか。この時点で結構お腹いっぱいですよね。情報過多というか、そんなに見なきゃいけないの~。って、思いました。さらに言えば「味方や相手」の体の向き。膝の向き。体の向きや膝の向きで重心がどちらにあるのか、彼らが次にどう動こうとしているのか判断できます。難易度高!と思ってしまうのですが、小学年代でも上手い子は感覚的なのか意識的なのか、そういう事ができているんですよね。

 そして、意識して見続けることで無意識のうちにできるようになる。実際、自転車だって何だって最初はいろいろ意識して練習して、できるようになったら無意識のうちに体が動くようになっている。そういう状態を目指しましょう。

いつ「首を振って」「見るのか」

情報過多と戦っていた長男に「首を振ると足元が疎かになってボールロストする」と、いう新たな悩みが発生しました。悩ましい。でも、結局「首を振る」タイミングが遅いってことで落ち着きました。正解はボールが移動中毎に「見る」。ですが、その「見る」範囲とタイミングは瞬間瞬間で異なると思います。パスが出た瞬間、確認して次のプレーにつなげる。の、繰り返しです。パスを受ける直前に「首を振っちゃう」と、足元にボールが来た瞬間にボールロストするケースが増えるみたいです。ディフェンス側は「そこ」を狙っていますからね。

「実は首を振らなくてもいい」の真意

メッシはそんなに首振ってないよ~。って思うかもしれません。が、彼らの間接視野で見える世界。動動体視力。俯瞰的な視野で見ている世界は異次元です。以前、いくつもの動くテニスボール(それぞれに数字が書いてある)を目で追って、止まった瞬間光ったボールの番号が何番か当てて、そのボール(4つ)の行く末をさらに目で追って。という動体視力トレーニングを体験したことがありますが、一流選手が目で追えるスピードは尋常じゃなかったです。私はゆっくりのスピードでも怪しいのに……。Jリーガーもとても速かったのですが、ヨーロッパリーグの選手はその倍速くらいの速さでした。しかも、1つじゃなく4つですから……。と、いうわけで並外れた動体視力と間接視野を持ち、俯瞰的な視野でコートを見るメッシはあまり首を振らずとも十分「見えている」と、いうことです。

結論

「見るべき」シーンが見えていて得るべき情報がキャッチできるのであれば「首を振る」必要はないのです。目的は「首を振る」ことも「顔を上げる」ことでもなく、必要な情報をキャッチすること。そして、キャッチした情報をもとに最善と思われる判断につなげることなのです。

それさえわかっていれば、お子さんにも伝えやすいと思います。「ぶんぶん首を振る」必要もないし、「見るべきポイント」も絞れるでしょう。そして、親御さんもこういった本質がわかってくるとサッカーの難しさ奥深かさがわかってもっと楽しくなりますよ。お子さんは頑張っています!

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